雑学

芸人が選ぶ、ツッコミがうまい芸人

芸人が選ぶ、ツッコミがうまい芸人

ツッコミには、フレーズを思い浮かぶ発想力や声の強弱、間合いなど、様々な能力が求められ、ツッコミがうまい芸人さんと言ったら誰か、それぞれに連想する芸人さんもいるかもしれません。

それでは、芸人さん自身は、ツッコミがうまい芸人と言うとどんな芸人さんを選ぶのでしょうか。

参考になるものとして、2019年の『アメトーク』で行われた、「このツッコミがすごい芸人」という特集があります。

この回では、一線級で活躍しているツッコミ芸人さんたちが集まり、「このツッコミがすごい」と思う芸人さんを選んで「ツッコミ」について熱いトークを交わしています。

その特集で挙がっていたツッコミがすごい芸人さんたちは、以下の通りになります。

礼二 中川家 サンドウィッチマン伊達、COWCOW善し
大吉 博多華丸大吉 ナイツ土屋、四千頭身後藤
小峠 バイキング フット後藤、銀シャリ橋本
濱家 かまいたち  和牛川西
向井 パンサー 千鳥ノブ
土屋 ナイツ 霜降り明星粗品
粗品 霜降り明星 ママタルト檜原、ナミダバシ太郎(第七世代)
塙 ナイツ 爆笑問題田中、ますおか岡田
華丸 博多華丸大吉 東京03飯塚

右側が、選ばれたツッコミ芸人です。

結構前の特集ではありますが、今でも全然ツッコミ名人として活躍している芸人さんも多いので、そのなかから、一部コメントも紹介したいと思います。

礼二(中川家)→ 伊達(サンドウィッチマン)

中川家の礼二さんが、すごいと思うツッコミ芸人は、サンドウィッチマンの伊達さんです。

理由は、伊達さんの「無駄のないツッコミ」。礼二さんは、どうしてもツッコミの際に色々と喋ってしまうそうで、あの伊達さんのすぱっとシンプルなツッコミを賞賛。

コンビの声質がぴったり(大吉)

江川卓がストレートとカーブだけで勝ち続けたのと一緒、最近の子のツッコミは球種が多すぎる(ナイツ塙)

言い切るツッコミは怖い、勇気がすごい(大吉)

漫才に入るときのすっとネクタイを緩める動き方がいい、動きは大事(華丸)

大吉(博多華丸大吉)→ ナイツ土屋

博多華丸大吉のツッコミの大吉さんが選んだ、すごいと思うツッコミ芸人は、ナイツの土屋さんです。

理由として、「精密機械」という点を挙げています。

ナイツは、両方とも技術力が抜群に高く、土屋さんのツッコミは、テンポを崩さず的確に淡々とスリーポイントを決める。塙さんが一方的にボケて、目も合わせないのにタイミングよくツッコミをいれられることも凄い、と言います。

ずっと声を張らないのがすごい、同じトーンで最後までは難しい(バイキング 小峠)

二言、三言でスパッと止める、ツッコミ終わりの「う〜ん」といった相槌で間を調節している(霜降り明星 粗品)

歌ネタ(ボケとツッコミ逆で、ビートルズ『Hello,Goodbye』)でボケにまわったときもブレない精密機械(博多大吉)

小峠(バイキング)→後藤(フットボールアワー)

バイキングのツッコミ小峠さんが選んだ、すごいと思うツッコミは、フットボールアワーの後藤さんです。

たとえツッコミのワードセンスも凄いものの、岩尾さんへの「ハゲとるやないか」は、もはや伝統芸能のように、毎度面白く、「全ハゲ芸人が、あれを食らいたいと思っている」と小峠さん。

大声を出してそうで出していないのも技術、首だけわざと筋を張らせて大声を出しているように見せる(中川家 礼二)

ストレートも変化球もずば抜けている、自分の気持ちと言葉とが合っていることを言うから、お客さんも不自然に感じない(ナイツ塙)

濱家(かまいたち)→川西(和牛)

かまいたちのツッコミの濱家さんが挙げていたのが、今は解散してしまいましたが、元和牛の川西さんです。

圧縮したビームのような声、心地よいリズム、ノータイムツッコミの三点が、川西さんのツッコミの魅力だと語ります。

自分のキャラよりもネタの流れを優先(中川家 礼二)

あれほど役に入りきってツッコミができる芸人はあまりいない(博多大吉)

向井(パンサー)→ノブ(千鳥)

パンサーの向井さんが挙げる、ツッコミがうまい芸人さんは、千鳥のノブさんです。

クセがすごい、などオリジナルのワードだけでなく、一番は、「大◯◯」というフレーズのツッコミだと言います。

大◯◯はもはやボケ。たとえツッコミのような難しさはいらない、ということを発明した(ナイツ塙)

吉本に入った頃、「おうむ返しはだめだ」と言われたが、千鳥ノブは結構おうむ返しが多い。それで面白いのが革命(博多大吉)

テクニックというより人間性によって生み出されたツッコミ(博多大吉)

土屋(ナイツ)→粗品(霜降り明星)

ナイツの土屋さんが挙げるのは、霜降り明星の粗品さんです。

あの粗品さんのツッコミに対し、土屋さんは、「発明、漫画のぎざぎざの吹き出しが見えた。シンプルな強いツッコミに憧れてきた。たどり着けなかったから、粗品を見たときにやられたと思った」と語っています。

途中、粗品のお客さんとの対話、という面が大きくなってから見やすくなり、一気に劇場でも笑いが起きるように(かまいたち濱家)

ワードセンスがあるのに、相方のせいやのほうが面白いと言い続ける。ツッコミの鏡。粗品みたいになりたかった(パンサー向井)

粗品(霜降り明星)→檜原(ママタルト)、太郎(ナミダバシ)

その粗品さんが挙げる、ツッコミ名人は、ママタルトの檜原さんと、ナミダバシの太郎さんです。

ボケをわかりやすく説明して、笑いをとる、という点を挙げています。