たくろうの役割分担
M-1グランプリ2025で優勝し、一躍注目を集めたお笑いコンビ・たくろう。メンバーは、赤木さんときむらバンドさんの二人です。
ボケツッコミの役割で言うと、基本的な肩書きでは赤木さんがボケ、きむらバンドさんがツッコミという分け方になっているようですが、実際のネタを見ると、やや異なる印象を受けます。
どっちかと言うと赤木さんのほうが巻き込まれつつも冷静な訂正をし、きむらバンドさんのほうがちょっとおかしな人物として描かれています。
しかも、M-1のネタを見るかぎり、全体的にいわゆる「ツッコミ」が不在に近い独特の空気感が漂っているのが、たくろうの漫才の大きな特徴です。
ネタ作りは赤木さんが担当
たくろうのネタ作りは、どっちが担当しているのでしょうか。
一見すると、赤木さんのほうが振り回されているのできむらバンドさんが考えているのかなと思いきや、ネタ作り担当は赤木さんです。
まず赤木さんがネタの基本的なことを書き、そのネタをもとに二人で合わせながら仕上げていくスタイルです。
M-1のアナザーストーリーでも、ネタの制作過程が映し出されていましたが、赤木さんがネタを作り上げていく際の苦悩や二人の様子が伝わってきます。
アナザーストーリーを見るかぎり、赤木さんが、ある程度の形が見えてきた段階で、きむらバンドさんに、一回通しでやってみていいかと声をかけ、二人で合わせていく、という流れだったので、概ねそういった形なのかもしれません。
「自分らしさ」との格闘
ネタ作りの上で、赤木さんが割と当初に直面した課題は、自分自身のキャラクターとネタとの乖離だったようです。
漫才というのはコントのように深くキャラに入るわけでもなく、人間性が自然に滲み出てくるほうがよいという側面があります。
そのため、たくろう結成当初は赤木さん自身のキャラクターを前面に押し出す方向でネタを作り、そのまま「変な人」という面が強調されていったものの、実際の赤木さんは、おどおどはしていても、そこまで「変な人」ではなく、その”ズレ”が無理を生じさせていったようです。
解決策は「役割の整理」
昔とネタのスタイルを変え、たくろうというコンビにとっても赤木さんにとっても行き詰まりを打開するために行き着いたのが、ネタでの役割を整理し直すこと。
赤木さんの立ち振る舞いや言動は真っ当なものにし、代わりにきむらバンドさんがおかしな人物に、という構図にしていきます。
その過程でボケとツッコミが入れ替わったりなど、試行錯誤が行われ、その集大成として、あの独特の「ツッコミ不在」の空気感のネタ、そしてM-1王者という結果につながったのでしょう。
その辺りのことは、鬼越トマホークのYouTubeチャンネルで語られています(25:45頃〜)。
