エピソード

かが屋加賀、中卒の理由

かが屋加賀、中卒の理由

コント職人として知られる、お笑いコンビかが屋の加賀さんは、1993年生まれで、岡山県備前市出身です。

子供の頃から、祖母の家で暮らしたり、一時は父親と暮らしたり、また小学校4年生のときに両親の離婚もあってシングルマザーの環境になるなど、めまぐるしく複雑な家庭環境で育ったそうです。

祖母は、幼い加賀さんがリンスとシャンプーと歯磨き粉で化石をつくると言っても否定することなく協力してくれるような人で、周りに誰も止める人のいない環境だったことから、常識の分からない少年だった、と加賀さん自身振り返っています。

父親と暮らしていた頃は、テレビのチャンネル権が父親にあり、プロレスかF1ばかりの日々。そのため、初めてお笑い番組を観たのは中学の頃の『人志松本のすべらない話』で、その面白さに衝撃を受けたと言います。

中学校時代の加賀さんは、幼馴染の女子がヤンキーだったことから、ヤンキーの人たちとも仲良く、また自分の本来のポジションの人たちとも一緒にいるという「無敵」の状態。

しかし、中学卒業後、入学した高校では、幼馴染のヤンキーがいなくなったことから、自力で友達をつくる方法が分からなかったそうです。

結果、高校時代は誰とも仲良くなれず、次第に学校を休むことも増え、引きこもりがちになります。

そして、ある日、“不登校児のプロ”のスクールカウンセラーと面談した加賀さんは、ある怒りの“事件”と遭遇します。

そのカウンセラーに、「何が好きなの?」と尋ねられた加賀さんが、「お笑いが好きです」と答えると、カウンセラーは再び、「誰が好きなの?」と質問します。

加賀さんが、「ダウンタウンです」と言うと、カウンセラーは、途端に顔色を変え、「ダウンタウンなんて面白くない、人を傷つける笑いばかりだ」と批判したそうです。

カウンセラーの態度に腹を立てた加賀さんは、「ダウンタウンの番組を観てるんですか」「ガキ使やダウンタウンDXを観てるんですか」と問い詰め、カウンセラーが、「観てない」と答えると、「観てないくせに面白くないとか言うな!」と激怒。学校を飛び出し、そのまま不登校となって高校を中退します。

その後、スーパーでアルバイトをするも、最終学歴が中卒というのは加賀さんにとってコンプレックスでもあったようです。

それから、吉本養成所NSC35期生として入学(NSCの同期には、ゆりやんレトリィバァやガンバレルーヤがいる)しますが、養成所も中退。

一人上京したのち、アルバイトをしていたコンビニで出会った賀屋さんと、コンビ「かが屋」を結成します。

本格的にお笑い芸人になってからも、コンプレックスゆえ、高学歴な人や面白い人が大勢いるお笑い界で、「新しいこと」「変わったこと」をしたい、「凄い」と思われたい、という欲求が強く、一方で、「嫌われたくない」という不安から、ネタが誰とも被らないよう端っこを細々と歩くようなものを心がけていると言います。