ガヤ芸人の意味
ガヤ芸人とは、バラエティ番組で、その他大勢のポジションから、ツッコミやリアクションによって番組を盛り立てる(「ガヤを入れる」)芸人のこと。ガヤガヤした声の仕事に由来する。類義語に「ひな壇芸人」がある。
ガヤ芸人の「ガヤ」の由来
お笑いの世界の用語で、「ガヤ」や「ガヤ芸人」といった言葉があります。
ガヤとは、テレビのバラエティ番組などで、その他大勢のポジションから、ツッコミを入れたり、リアクションで場を沸かせるといった賑やかしを行うことを意味します。
そして、こういったガヤを行う芸人やガヤが得意な芸人を、「ガヤ芸人」と呼びます。
それでは、この「ガヤ」の語源とはどういったものになるのでしょうか。
もともと「ガヤ」は、アニメーションのアフレコや洋画の吹き替えの世界で用いられていた言葉です。
メインのシーンの背景の声──たとえばスタジアムでの客の歓声や学校での運動場の掛け声のような、その他大勢の「がやがや」した台詞の声を「がやの仕事」と呼んでいました。
お笑いの「ガヤ」も、この「ガヤガヤ」した台詞の声の仕事に由来します。
さて番組レギュラーでの自分の課題は、まず毎回振られるその他大勢の役をどう演じるかです。メインキャラではないので大筋には関わらない。しかし同じ世界にいてある程度会話をする。
特に今の少人数での収録だと台本上の自分のセリフはすぐに終わってしまい、ほとんどがガヤと呼ばれるシーンの裏で流れる喧騒や話し声がメインになります。
状況をちゃんと把握していないとできません。以前あるアニメを見た時、一言だけ喋る村人でその世界の雰囲気が伝わる事を実感しました。その他大勢がしっかりしていないと物語の雰囲気が崩れるのです。
この作品のディレクターであるFさんも、「ガヤが上手くないとメインキャラはできない」と言っています。たぶんちゃんと作品を理解していないとできないという意味なのだと思います。
ナレーションの専門家によれば、物語の空間が「ガヤ」によっても立ち上がり、「ガヤが上手くないとメインができない」、すなわち、「全体を理解していないとしっかりしたガヤもメインもできない」ということがあるようです。
この「ガヤの大切さ」は、お笑いの世界でも当てはまるかもしれません。
どのタイミングで、どれくらいの強度のガヤを入れるか、というさじ加減は、全体をしっかり把握していないと難しい側面もあるのでしょう。
いつから使われるようになったのか
一体いつからお笑いの世界で「ガヤ」や「ガヤ芸人」という言葉が使われるようになったのでしょうか。
お笑いで「ガヤ」という表現が使われるようになったきっかけの芸人は、よゐこの濱口さんだったようです。
アニメ作品に声優として出演した経験もあり、この言葉を知っていた濱口さんが、『めちゃイケ』の現場で、「今日もガヤばっかりだった」と不満を漏らしたことから、「ガヤ」という表現がお笑いの世界でも使われるようになったと言います(出典 : よゐこ濱口、芸人の『ガヤ』を世間に広めた「最初は『めちゃイケ』で」)。
代表的なガヤ芸人
ガヤ芸人が注目された番組として、2008年11月20日の『アメトーク』で、第1回『ガヤ芸人』の企画が行われています。
ガヤ芸人と言うと、「ガヤを任される芸人全般」を意味するだけでなく、「ガヤが得意な芸人」を指す場合もあり、主なガヤ芸人(ガヤが得意な芸人)のメンバー一覧としては、以下の芸人たちが挙げられます。
『アメトーク(第1回、および第2回の『ガヤ芸人』出演者より)』
- 藤本敏史(FUJIWARA)
- 品川祐(品川庄司) ,
- 庄司智春(品川庄司)
- 設楽統(バナナマン)
- 山崎弘也(アンタッチャブル)
- 柴田英嗣(アンタッチャブル)
- 岡田圭右(ますだおかだ)
- 河本準一(次長課長)
- 箕輪はるか(ハリセンボン)
- 近藤春菜(ハリセンボン)
『うちのガヤがすみません(レギュラーガヤ芸人)』
- チョコレートプラネット
- フワちゃん
- 相席スタート
- ヒコロヒー
- 鬼越トマホーク
- なすなかにし
この『うちのガヤがすみません』では、他にも多数の若手ガヤ芸人たちが出演しています。
特に、代表的なガヤ芸人と言えば、FUJIWARAの藤本さんとアンタッチャブルの山﨑さんが挙げられます。
藤本さんは、「ガヤ」について、「かつてはガヤ=ヤジで、うるさい、下品、にぎやかしという見られ方をしていた」と語っています。
ヤジと言うと、冷やかしや非難の言葉をぶつける、うるさい存在、といったニュアンスがあり、進行にとっては邪魔になる。一方、ガヤは、むしろ番組の演出に欠かせない一要素で、技術や空気を読む繊細さも必要になる、といった違いがあります。
ただうるさいだけの「ヤジ」から、番組を盛り上げる「ガヤ」へと捉え方が変わり、地位が格段に向上したきっかけとなったのが、先述の『アメトーク』や『ロンドンハーツ』だったのでしょう。
これらの番組で、藤本さんや山崎さんの「ガヤ」がフィーチャーされるようになったことで潮目が変わったようです。
実際、藤本さんや山﨑さんは、必ずしもMCのような主役として目立っているわけでないものの、ガヤ芸人という確固たる地位を築き、バラエティ番組に欠かせない存在となっています。
