粗品の呪いとは【霜降り明星】
お笑いコンビ霜降り明星のツッコミ担当の粗品さん。本名は、佐々木直人と言います。
吉本興業の所属芸人で、粗品という芸名は、「つまらないものですが」という謙虚な姿勢という意味が込められています。
粗品さんは、1993年1月生まれの大阪府大阪市出身。実家は焼肉屋「味希」で、たびたびテレビやラジオ、YouTubeなどでもネタを交えて取り上げられることがあります。
粗品の実家の焼肉屋味希で登録者100万人突破を祝います!!【霜降り明星】
粗品さんは、霜降り明星というコンビとしてM-1を優勝しただけでなく、ピンとしてR-1も優勝しています。
このR-1グランプリに最初に出場したのは2009年、粗品さんが高校一年生のときで、このときは一回戦敗退。
以降、高校二年時には二回戦敗退。高校三年時には、まだ現役高校生にも関わらず、R-1グランプリで準決勝まで進出するなど、若い頃からお笑いの才能を発揮し、高校時代にお笑いの大会で出会ったせいやさんと、2013年に霜降り明星というコンビを結成します。
粗品さんと言えば、独特のツッコミの手振りや、絶対音感のある音楽的な才能の他に、破滅型と言ってもいいほどの「ギャンブル好き」と多額の借金持ちとして有名です。
このギャンブルを教えた“師匠”が、元芸人で大阪市内にある居酒屋『ハチマル蒲鉾』店主の河内慎太郎さんです。
河内さんは、粗品さんが20歳になった瞬間に、パチンコや競馬などギャンブルを教え込んだそうです。
【秘蔵トーク】霜降り明星せいやがハチマル蒲鉾に来店してくれました
同じく芸人時代の後輩に当たる霜降り明星のせいやさんが、店のYouTubeチャンネルに出演した際、粗品さんのギャンブルについても二人で語っていたのですが、せいやさんは「(粗品がギャンブルにハマったのは)河内さんのせい。出会ったときはあんなんじゃなかった」と指摘しています。
さて、ギャンブル好きの粗品さんは、自身のYouTubeチャンネルで、「生涯収支マイナス1億円くん」(粗品さんの友人という設定)という名前で競馬の予想も行なっています。
生涯収支マイナス1億円くんは、名前を省略して、「マイ億君」と呼ばれることもあります。
このマイ億君という名前の通り、粗品さんは競馬で大金をはたいて勝負し、大負けするということもしばしばあり、この負けっぷりも気持ちがいいことから、ギャンブル好きのファンも少なくありません。
粗品さんのギャンブルへの想いを見ていると、かつて詩人の寺山修司が、ギャンブルにまつわる文章で書いていた「名言」を思い出します。
「競馬やカードをよくやるそうですが、平均してみると儲かっていますか、損してますか?」というのがある。
私は思わず失笑する。「平均してみると」とは何事であるか。あるときは勝って喜び、あるときは負けて口惜しがるのが人生であり、それを決して「平均」しないところに、一喜一憂の恍惚と不安があるのである。
(中略)
「明日になれば、思いがけないことが起こるかも知れない」だから「明日何が起こるかわかってしまったら、明日まで生きるたのしみがなくなってしまう」のである。
これが賭けというものであろう。
出典 : 寺山修司『ぼくは話しかける』
そんな粗品さん(マイ億君)の競馬予想に関し、必ずついて回る言葉が、「粗品の呪い」です。
呪い、というと、ちょっと穏やかではない言葉ですが、一体「粗品の呪い」とはどういった意味の言葉なのでしょうか。
粗品の呪いとは、自身のYouTubeチャンネルの競馬予想で、粗品さんが本命に挙げた馬が、たとえ人気馬であったとしても、思いっきり馬券圏外に外れる現象を意味します。
何が粗品の呪いやねん
— 粗品(霜降り明星) (@soshina3) December 19, 2021
粗品さんに狙われたら最後、どれだけ強い馬も馬券圏外になり、大敗して大外れ、馬券を買った人たちも、まるで逆答え合わせのように、自分の買った馬券の馬が、粗品さんに選ばれないようにお願いするほどです。
この「粗品の呪い」という言葉は、毎回競馬のレースのたびに、ツイッターでトレンド入りしているほど浸透しているキーワードでもあります。
また、ツイッターのトレンド入りだけでなく、Yahoo!ニュースなど、競馬ニュースにも取り上げられ、競馬ファンだけでなく、関係者や一般の人も目にする機会が多い言葉でもあります。
スポニチ競馬の記事では、粗品の呪いの過去の“戦績”も紹介されています。
本命馬がことごとく沈むため、巷で“粗品の呪い”と恐れられているマイ億君の予想。22年のG1の本命はフェブラリーSがエアスピネル9着、高松宮記念がダイアトニック14着、大阪杯では昨年の年度代表馬エフフォーリアが9着となり、桜花賞ではラブリイユアアイズが最下位18着。皐月賞は逃げ馬デシエルトがスタートでつまずくというまさかの展開で16着に沈み、天皇賞(春)はマカオンドールが11着、NHKマイルCではキングエルメスが6着だった。
ヴィクトリアマイルは1番人気レイパパレが12着、オークスはナミュールが初めて馬券内の3着に入ったが、馬券は外れた。単勝で勝負した日本ダービーは1番人気のダノンベルーガが4着。安田記念で本命ソングラインが勝利し、馬連が的中してひとまず“解呪”となったが、宝塚記念でエフフォーリアが6着となった。
基本的に「粗品の呪い」と言われるほど馬券の外れることの多い粗品さんですが、本当にときおり的中させると、「ついに粗品の呪いが解けた」と、これはこれでトレンド入りし、YouTubeでも、盛大に調子乗りを発揮させます。
たとえば、粗品さんは2022年のG1安田記念でソングラインを本命に挙げ、見事的中させています。
本日の安田記念について
ただ、安田記念で呪いが解けたと思いきや、宝塚記念で再び呪いは発動され、秋のG1スプリンターズステークスでも本命馬のナムラクレアが5着に終わっています。
とは言え、確率的に言えば、そもそも馬券は外れることも多いでしょうし、番組やYouTubeなどのプロの予想であれば、本来「当たる」ことに価値が置かれるはずなのに、「外れる」ことをエンターテイメント化させること自体、粗品さんの芸的センスと巧みさと言えるのかもしれません。