爪痕を残すとは
爪痕を残す
爪痕を残すとは、バラエティ業界においては、大きな番組などに芸人が出演し、しっかり存在感を残すことを指す。最後まで無難に終わるくらいなら、思いっきり大振りをして空振りしてもいいから、爪痕を残したい、という意気込みで若手芸人が挑むことも少なくない。芸人だけでなく、アイドルやアスリートの世界などでも使われる。
概要
バラエティの「爪痕を残す」
お笑いの世界に限った用語ではありませんが、「爪痕を残す」という表現をしばしば聞くことがあります。
特に若手芸人さんが、有名なバラエティ番組やお笑いの大会の場で、「爪痕を残す」といった表現が使われます。
これは、そういった大舞台の場で、なにか一つでも存在意義やインパクトを与える、印象付ける、ということを意味します。
たとえば、M-1グランプリでは、たとえ優勝ではなかったとしても、トム・ブラウンやヨネダ2000のように一風変わったネタによって大会で爪痕を残すということもありますし、敗者コメントでニューヨークの屋敷さんが「最悪や」と叫んだことによって爪痕を残した、ということもあります。
ただ、自分が爪痕を残すために目立とうとしすぎれば、番組全体のバランスや進行の流れを無視し、場の空気を壊してしまう危険性もあります。
バカリズムは「案内役がボケたら収拾付かなくなる。そういう趣旨じゃないし、お前の爪痕残すための番組じゃないと。案内役でナビしてくれて、僕らがボケたりすればいいけど、案内役がボケたら番組が成立しないだろと。猫カフェをボケにしちゃうとお店にも失礼だし、僕らもコメントに困る。そういうとこまで考えてお前ボケてるんだろうな?!って」と当時の怒りを振りかえり、スタジオの爆笑を誘った。
爪痕を残すためには、全体はよく見ながら、気負いすぎず、出るべきときに自分のよさを出し切る、という難しさがあるのでしょう。
もともとの「爪痕」の意味
こんな風に、バラエティやスポーツの世界などでは「爪痕を残す」という言葉は、「成果をあげる」「印象付ける」など良い意味として使われます。
一方、本来の「爪痕」という表現は、「爪でひっかいた痕」以外に、「自然災害や事件の傷跡」のことを意味し、台風が爪痕を残す、といったニュース記事もあります。
NHKの調査によれば、世代が上の人ほど、この「爪痕を残す」という表現が良い意味で使われることに関して違和感を覚える人が多いようです。
すばらしい演技をした場合に、「今回の出演で爪痕を残すことができた」と表現することについて、どう思うか聞いたところ、「おかしい」と答えた人が全体の40%、「おかしくない」が37%、「どちらともいえない」「わからない」が、あわせて23%でした。
これを、年代別で見てみると、20代では「おかしい」が18%と割合が低く、「おかしくない」が62%だったのに対して、50代では「おかしい」が49%、「おかしくない」が33%でした。このように「爪痕を残す」を良い意味で使うことについては、年齢によっても、受け止め方が異なる傾向があり、若い人に比べて、年齢が高い人のほうが、「おかしい」と感じる人が多いことがわかります。
ニュースでも、確かにバラエティやスポーツ関連のメディアではこの良い意味の「爪痕を残す」という表現は見られます(【THE SECOND】芸歴54年目のザ・ぼんち”らしさ全開”の大暴走 金属バットに敗れるも爪痕残す)が、新聞などではあまり見ないかもしれません。
