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出オチとは─オチが冒頭に来る、笑いの「出オチ」の意味

記事内には、番組などの一部ネタバレが含まれている場合もあります。

出オチの意味

出オチとは、奇抜な見た目などで、舞台やスタジオに出てきた瞬間「オチ」のように笑いが生じ、以降は尻すぼみになるような状態を指す。

本来は後に来るオチが最初に

お笑いの世界で使われる用語に、「出オチ」があります。

出オチとは、奇抜な見た目や設定で、舞台やスタジオに登場した瞬間──つまり「出てきた瞬間」に、すでに「オチ」のような笑いが生まれてしまう状態を指します。


本来、「オチ」と言えば、「話の落ち」や「物語の落ち」という言葉が示すように、最後に用意される結末のこと。

お笑いの世界でも、オチは、話の結末などで訪れるネタの笑いどころを意味します。その「本来は後に来るはずのオチ」が、冒頭で出てしまう。この構造を指して「出オチ」と言います。

ちなみに、辞書では、こんな風に解説されています。

コントなどで、舞台に出たときに客を笑わせるような仕掛け。出た瞬間に「落ち(最も笑わせる最後の部分)」と同じほどのインパクトを与えることから。

出典 : 出落ち|コトバンク

これだとそれほど悪い意味ではないように書かれていますが、お笑いにおいての「出オチ」は、もうちょっとネガティブなニュアンスで使われているシーンが多いような気がします。

出オチは悪い意味か

お笑いの分野で聞く「出オチ」は基本的に褒め言葉ではありません。

登場時のインパクトだけが強く、その後の展開で笑いが続かない場合、「出オチじゃねえか」と、ネガティブなニュアンスでツッコミを入れられることも多く、ネタの評価で、「あの出オチがよかったよ」という言い方は聞いたことがありません。

極端に奇抜な衣装や設定のネタの場合、本筋に入る前に大きな笑いが起きることから、「これは出オチだ」と捉えられることもあるでしょう。


一方で、お笑いではあまりそういった使い方は聞きませんが、ネットなどでは、冒頭にオチのような笑いがあり、(尻すぼみではなく)後半でも普通に笑える場合も出オチという表現を使うこともあるようです。

出オチをおおまかに分類すると以下のように分けることができる。

1.出だしで面白い内容が出尽くしていること (それ以降に笑いどころが無い)
2.出だしに笑ってしまう要素があること (それ以降の笑いの有無は問わない)
3.一発ネタ (短すぎて出た瞬間に全てが終わる)

漫才などのお笑い用語としては、1の意味で使われニコニコ動画などでは派生した意味でも使われている。

出典 : ニコニコ大百科「出落ち」

冒頭でも笑え、それ以降も笑える場合にも使われる「出落ち」なら、悪い意味というわけでもなさそうです。

つかみと出オチ

漫才やコントにおいて最初の「つかみ」は非常に重要です。

ただ、最初のインパクトだけで終わってしまう出オチにならないよう、そこからどう展開していくか。そのバランスや構成力が、お笑いのネタでは問われる部分なのだと思います。

漫才で言えば、たとえばオードリーのネタは、舞台に登場した瞬間の春日さんのインパクトが非常に強く、見方によっては出オチになりかねない要素を含んでいます。

それを単なる出オチで終わらせずに、「つかみ」として昇華し、その後の展開でしっかり笑いを積み重ねている点が特徴です。

ちなみに、「落ち」という言葉自体が一般用語であるように、「出オチ」も必ずしもお笑い限定の専門用語ではありません。

漫画や映画の批評などでも使われることがありますし、語尾に「感」をつけて「出オチ感」と表現されることもあります。

この少し曖昧な「出オチ感」という言い回しも、SNSなどで検索すると多くの投稿が見つかり、すでに日常的な表現として定着しつつあるのかもしれません。