ザ・マミィ酒井のいじめ経験
人力舎所属のコント師のザ・マミィの酒井さんは、中学時代に深刻ないじめを受けていたと言います。
酒井さんをいじめていた人たちというのはクラスの女子で、お腹に向かって机を蹴飛ばされたり、キモいと言われるのも日常のことだったそうです。
あるときは、体育倉庫に呼び出され、「ボール回収係」に任命されると、授業が始まっているにもかかわらず、ずっと一人で拾わされ続けるということもあり、教室に戻ると、「お前だけなんで遅刻しているんだ」と先生に叱られ、いじめをしていた女子たちは、その様子を見ながらケラケラと笑っていました。
酒井さんがお笑い芸人の道を目指したのも、このいじめの経験が大きかったと言います。
悔しさを抱えるなかで、お笑いなら色々なことが全部ひっくり返せるのではないか、面白いというのはかっこいい、面白くなりたい、という思いから、酒井さんはお笑いの世界に飛び込みます。
僕は女子にイジメられていたんですよ。モテるのはやっぱり顔がカッコいい人だし……、何かいろんな悔しさがありました。それでお笑いなら全部ひっくり返せるんじゃないかなみたいな。面白いというのは一番、カッコいいだろうと。じゃあ、自分も面白くなりたいと思って芸人の世界に飛び込んだんです。
いじめのことを振り返ったVTRのあとにネタを披露する『バナナサンド』の企画では、「ネタ中に号泣する」というハプニングもあり、苦しい記憶を笑いでひっくり返す、という思いが相当強かったことが伺えます。
壮絶な過去を告白したVTRの後に、ゲストの３人の前でネタをやるはずだったのですが、VTRを見て辛い過去を思い出した酒井さんは、ネタ中に泣き始めます。
泣きじゃくる酒井さんは、「ずっと日陰にいて、こんなキラキラした舞台で皆様が僕のことを見てくれてると思って、誰にも見られてこなかった、今まで」と気持ちを吐露。
お笑いでひっくり返したいという酒井さんの思いの根底には、なにより純粋に「お笑いが好き」というお笑い愛がありました。
小学生の頃に観た、NHKの『爆笑オンエアバトル』でお笑いを好きになり、当時芸人さんたちが獲得したキロバトルをノートに記録し、誰がセミファイナルに、ギリギリボール１個で行けなかったか、といった分析まで行なうほどでした。
この分析の習慣で、算数が得意となったそうです。
酒井さんが好きだった芸人は、プラスドライバー、アルファルファと、その後の東京０３、ドランクドラゴン、アンジャッシュ、おぎやはぎ、スマイリーキクチ、ユリオカ超特Q、陣内智則。
所属事務所も、おぎやはぎや東京０３、アンジャッシュなど、自分が好きだった芸人たちが所属している人力舎に入所します。
ザマミィ『金持ちの親子』
相方である林田さんとも、人力舎の養成所JCAの２４期生として出会っています。人力舎を選んだ理由について、酒井さんは、「クラスの隅っこにいるような人たちが多い事務所」だからと語っています。
僕は元々、前に出て目立つタイプの人間じゃなかったので。言い方は悪いですけど、何かクラスの隅っこにいるような人たちが多い事務所だなと（笑）。じっくりと練り上げたものを作っているみたいな職人肌っぽい事務所なら僕も馴染めるかなあと思ってJCAに入りました。
