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どうでもいい正解を愛するよりも面白そうなフェイクを愛せよ【令和ロマン・くるま】

記事内には、番組などの一部ネタバレが含まれている場合もあります。

どうでもいい正解を愛するよりも面白そうなフェイクを愛せよ【令和ロマン・くるま】

どうでもいい正解を愛するよりも面白そうなフェイクを愛せよ

M-1グランプリの2023年大会で令和ロマンが披露したネタ『少女漫画』の最後、令和ロマン・くるまが言った言葉。

概要

M-1グランプリの2023年大会、優勝の令和ロマンが、一本目で披露したネタ『少女漫画』。

そのオチの台詞として、くるまさんが言った、「どうでもいい正解を愛するよりも面白そうなフェイクを愛せよ」(ライブ版では、「つまらないリアルよりも面白いフェイクを愛せよ」)。

これは、くるまさんのお笑いに対する想いがこもった言葉だったのでしょうか。

一般的に言えば、「どうでもいい正解」よりも、「面白そうなフェイク」を求めることは問題だ、という話になるかもしれません。

しかし、この言葉は、「面白そうなフェイクを正解だと思え」と言っているわけでも、また、「どうでもいい正解が間違いだ」と言っているわけでもなく、どうでもいい正解よりも、面白そうなフェイクを「愛する」。

正解は正解として理解はしていても、この世界はそれだけでは窮屈で、「現実を直視せよ」といった言葉もありますが、直視できない精神状態のときもある。

そんなときに、フィクションによって解き放たれ、癒しになることもあるでしょうし、場合によっては、「どうでもいい正解」以上に、「面白そうなフェイク」が、より「真実」を伝えてくれることもあるかもしれません。

このくるまさんのオチの台詞は、SNSでも、名言だという声もあれば、怖いという声もあり、確かに、どちらとも取れる言葉ではあります。

しかし、「正解」だけの世界、常に「正しい」を求められる世界、「面白そうなフェイク」も一切許されない世界は息苦しく、人の心は、そのはざまで呼吸ができるのではないか。

そもそも、その「正解」が本当に正しいかどうかもわからないし、この世界の弾力性や柔軟性を考えると、「面白そうなフェイクを愛する」というメンタリティの重要性は大いにあるでしょう。

このくるまさんの言葉を聞いて、きのこ帝国の曲の、ある歌詞の一節を思い出します。

一瞬の世界の美しさに
騙されて  僕ら息を吸う

そして今日も誰かの嘘が
闇を照らして  夢を見させる

出典 : きのこ帝国『フェイクワールドワンダーランド』

嘘によって呼吸ができるし、嘘のなかに真実が混ざっていることもある。この世界も、心も、全て正しいことが正解だ、という単純なものでもないのでしょう。